このツールは、東京証券取引所(東証)に上場している日本株の中から「割安な銘柄」を自動で探し出すスクリーニングツールです。
「ネットキャッシュ(Net Cash)倍率」を中心的な指標として使い、投資家の清原達郎氏の著書で紹介されたバリュー投資の手法にインスパイアされて設計されています。
JPX(日本取引所グループ)・EDINET(金融庁)・TDnet(適時開示)から財務データを自動取得し、毎週金曜日に更新します。
銀行・保険・証券などの金融セクターとREIT(不動産投資信託)は除外。資産構造が特殊でNC倍率が意味をなさないためです。
ネットキャッシュ(NC)とは、会社が持つ「実質的な現金の余力」のことです。簡単にいうと、「会社の借金を全部返してもなお残る現金がどれだけあるか」を示す数字です。
= 現金・預金 + 有価証券 − 短期有利子負債 − 長期有利子負債
そして NC倍率 は、そのネットキャッシュが時価総額(会社全体の株式の価値)に対して何倍あるかを示します。
NC倍率の見方
| NC倍率 | 意味 | 評価 |
|---|---|---|
| 2.5倍以上 | 「今の株価で買うと現金だけで元が取れる」超割安水準 | 超割安(緑表示) |
| 1.5〜2.5倍 | 現金が時価総額を大きく上回っており、かなり割安な状態 | かなり割安 |
| 1.0〜1.5倍 | 推奨条件の基準。割安圏に入っている | 割安圏 |
| 0.7〜1.0倍 | バックエンドの第一条件通過ライン。やや割安 | 注目圏 |
| 0.7倍未満 | 割安感に乏しい。リストに表示されない | 対象外 |
株式投資では「いくらで買うか」が非常に重要です。NC倍率が高い銘柄は、最悪の場合でも保有する現金によって損失が限定されやすく、「安全マージン」が大きいと考えられます。
PBR(株価純資産倍率)
株価が「会社の純資産(資産から負債を引いた正味の財産)の1株あたりの価値」に対して何倍かを示します。
| PBR | 意味 |
|---|---|
| 1.0未満 | 解散価値以下。今すぐ解散すれば株価より多くの資産が戻る水準 割安 |
| 0.6未満 | かなり割安な水準 かなり割安 |
PER(株価収益率)
株価が「1株あたりの年間利益(EPS)」に対して何倍かを示します。「元を取るのに何年かかるか」のイメージです。
| PER | 意味 |
|---|---|
| 11倍以下 | 推奨条件の基準。かなり割安 推奨条件 |
| 15倍未満 | 割安圏 割安圏 |
| — (表示なし) | 赤字でPERが計算できない状態 赤字 |
ROE・ROA(収益性の指標)
ROE(自己資本利益率)は、自己資本(株主のお金)をどれだけ効率よく使って利益を生んでいるかを示します。
ROA = 当期純利益 ÷ 総資産 × 100(%)
| ROE | 意味 |
|---|---|
| 15%以上 | 優良水準(緑表示) 優良 |
| 8%以上 | 東証が掲げる改善目標水準 良好 |
| 8%未満 | 収益力が低く、バリュートラップのリスクあり 注意 |
EPS(1株あたり利益)と黒字・赤字
EPS(Earnings Per Share)は1株あたりの純利益です。EPSがプラスの場合は黒字、マイナスまたはゼロの場合は赤字です。推奨条件では赤字銘柄を除外しています。
配当利回り
年間配当金が株価の何%かを示します。高いほど「株を持っているだけで多くの現金が受け取れる」ことを意味します。
| 配当利回り | 意味 |
|---|---|
| 3%以上 | 高配当 高配当 |
| 2%以上 | 市場平均水準 平均的 |
| — (表示なし) | 無配当(配当なし) 無配 |
時価総額
「発行済み株式数 × 現在の株価」で計算される、会社全体の市場価値です。このツールでは億円単位で表示します。
小型・中小型株が対象。大型株に比べて市場の注目が低く、割安放置されやすい傾向があります。
流動性フィルターとして機能。3億円未満は実際に売買しにくいため除外しています。
営業キャッシュフロー(CF)
本業の活動によって実際に現金がどれだけ増減したかを示します。
マイナス → 本業でキャッシュを消費している(注意)
直近サプライズ
TDnet(適時開示情報閲覧サービス)で検出した、直近3営業日以内の重要な開示情報に基づく判定です。
▼ 悪材料:業績の下方修正・減配など
— :直近に重要な開示なし
スコアは複数の指標を組み合わせた総合割安スコアです。スコアが高いほど割安度と総合的な魅力が高いと判断されます。フィルター後の順位はこのスコア順に表示されます。
| 指標 | 最大点 | 割合 | 役割 |
|---|---|---|---|
| NC倍率 | 40点 | 核心指標。最も重視 | |
| PBR | 20点 | 解散価値からの割安度 | |
| PER | 15点 | 利益面からの割安度 | |
| 直近サプライズ | 15点 | 株価上昇の触媒 | |
| 時価総額 | 10点 | 小型株を優遇 |
バリュートラップとは、指標上は割安に見えるのに、実際には株価がなかなか上昇しない状態のことです。「安い罠」とも言えます。
以下のシグナルが複数検出された銘柄には ⚠ マークが表示され、スコアが減点されます。
- ROEがマイナス — 赤字が続いており、現金が少しずつ失われていく
- ROEが8%未満 — 収益力が低く、株主への還元が乏しい
- 売上高が継続的に減少 — 事業が縮小しており、将来性に不安がある
- 営業CFがマイナス — 本業でお金を稼げていない状態
- 自社株買い・配当ともに未実施 — 経営陣が株主への還元に消極的
スクリーニングの流れ
フィルターの使い方
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1各項目に数値を入力NC倍率・PBR・PER・時価総額・ROEそれぞれに「最小値」「最大値」を入力できます。空欄にした場合は条件なし(制限なし)として扱われます。
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2「適用」ボタンを押す入力後に「適用」を押すと、リアルタイムで銘柄一覧が更新されます。「推奨条件」ボタンを押すと初期のおすすめ条件に戻ります。
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3セクター(業種)でさらに絞り込む東証33業種の中から特定の業種に絞って探すことができます。特定の業界に詳しい方は活用してみましょう。
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4列ヘッダーをクリックでソートNC倍率・PBR・スコアなどの列名をクリックすると昇順・降順で並び替えができます。
財務データはEDINETの最新報告書から取得しますが、企業の決算発表タイミングによって最新情報が反映されるまで時間がかかる場合があります。
これらの業種はバランスシートの構造が一般事業会社と大きく異なるため、NC倍率が正確に機能しません。
経営陣の質・競合環境・業界トレンドなど、数字に表れない要素は反映されていません。定量スクリーニングの結果を起点に定性分析を行うことをお勧めします。
表示される株価・時価総額はJPXが公開する日次データに基づいており、リアルタイムの市場価格とは異なる場合があります。